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土(農民文学 詩撰集より)

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                鹿島 茂

二十年間
無農薬で有機栽培してきた
米が売れなくなった

十年間
あれほど親しく食を議論し合った
街の人は来なくなった

二十年前と同じ無農薬栽培で
十年前と同じ有機肥料で作った
米が消費者から嫌はれた

東日本震災で
東電の福島第二原発の
四つの炉がメルトダーンして
六十七年前投下された広島原爆の
百六十八個分の
セシウム136を放出した


-中略-


百姓の祈りを込めて
農民の生命をかけて
五十年
土と水と米に託した五体
血を吹く指先と瀕死の脳髄が導き出した
減農薬での有機栽培稲作
祖父と祖母の祈りの上に
古代の田の神とまぐわって
稲は原始の花を咲かせる


-中略-


東日本震災で
壊れた福島原子力発電所から
拡散するセシウムが
膨軟な土に降り注ぐ
稲はセシウムを米に取り込む
その米のご飯から
三十年半減で
細胞に結びつく時限爆弾


-中略-


二十年間
無農薬で有機栽培してきた
米が売れなくなった

十年間
あれほど親しく食を議論し合った
街の人は来なくなった

二十年前と同じ無農薬栽培で
十年前と同じ有機肥料で作っても
米が消費者から嫌はれた


     季刊 農民文学 №298 朱夏号
     詩撰集 東日本震災日誌(三) より引用

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お盆に、1歳になった娘を連れて
大好きな福島の田舎へ帰省しました。

父が「読むかー?」とくれた一冊の本。
季刊 農民文学 №298 朱夏号
実はここに、父の書いたものが掲載されていたので
それを読ませたかったらしい。
それはそれで勿論、愉しく読んだ。
昔っからの父と祖父の関係とか、面白かった。

そして、その他の作品にも目を通し
この「土」のタイトルの詩で
心が締め付けられた。

無条件に、涙がでた。

普段なら、感想のみを書くつもりでいましたが
ここに、どうしても書きたくなって
全文ではありませんが
紹介したくなりました。
(もし、警告いただければ削除します)

もっともっと、私の知らない事実・現実は山ほどあって
これはほんの一部。
全てを知るには、覚悟さえ必要なのだろうと思う。

どう感じて欲しいとか
どうして欲しいとかでなく
ここにある感情を
ただ外へ出したい。


田舎では、父母の作った野菜を食べました。
娘も、軸から外してあげたとうもろこしを、小さい指でつまんで
たくさん食べました。

関東と違って、夜になれば嘘のように涼しい夜
いつもより早い就寝の娘。
こっちにいるより規則正しく
ご飯も食べて元気にすごしました。

私の都合上
出産しても3週間で、自宅での仕事復帰。
息つく間もなく育児・家事・仕事をする毎日
今では記憶喪失かと思うほど
どうやってすごしたのか思い出せない、盛りだくさんな24時間。
なので、娘も私も出産後、初めての外泊。
いい息抜きが出来ました。

こうして帰れる場所があること
田舎の土を踏めたこと
待っていてくれた家族に会えること
有り難かったです。

帰りの道、国道118号から
農家が守ってきた田畑の地の上に冷たく聳え連なる
東北から関東へ続く送電鉄塔が
今までになく
重く、苦く、もどかしく、そして哀しく
私の目に映るのでした。

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