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北風のわすれたハンカチ

小学生のろ、何度もなんども繰り返して読んだ本。
自分で買ったのか、図書室で借りたのか、それは忘れてしまったけれど、とにかく何度も読んだ記憶がある。
ありがたい事に、実家には昔話の本とか、童話とかの本がたくさんある環境だったので、本を読むとは好きだった。
(ただし、分厚い本だけは、どうしても未だに拒否反応が出るけれど)

この本の中には、三つのストーリーがある。
まるで魔法使いのような北風の女の子と、クマの物語。
子鬼と魔女の娘の物語。
そして、魔物と人間の女の子の物語。
どれも、『魔』が共通し、どの物語も純粋で切ない。

それぞれの主人公は、明らかに自分とは違う種類の相手に、生まれて初めて出会う。
何故違うのか、それは始めはっきりとは解らない。
解らないまま相手に興味を抱き、好意を持って近づくが、結果として、どうしても超えられない壁の存在を知ることになる。

ワタシは子供のこ、どうしてこんなに切ない本が好きだったのだろう。
今更考えてしまう。
北風の女の子とクマ物語に出てくる、ホットケーキがとても美味しそうだったり、子鬼と魔女の娘の物語に出てくる、釜いっぱいに盛られた、今にも香ってきそうな、香水を作るための薔薇の花びらに憧れたり、魔物と人間の女の子の物語に出てくる、女の子の焼くパンが美味しそうだったりした。
けれどそれ意外でも、子供の頃のワタシが惹かれた何かがあったのだろう。
読み終わる度に、ひとりで切なくなっていた。

今年の春、気に入りの本屋に出かけたときに、この本を見かけた。
おおっと思って手にとって開いた。
懐かしい絵にしばら見とれながら、本の最終ページを見れば、こ本が絶版だったと書かれていた。
しかし、要望が多く、再版された旨が記されていた。

大好きだった本がなくなってしまうのは哀しいので、絶版を知らなかったとは言え、再版を嬉しく思った。

今年の2月に、大平建さんの『診療室にきた赤ずきん』を読んで、自分の心の奥に眠る物語とは何だろう・・と思った。
何日か考えて、自分の子供時代に一番好きだった本を考え始めたときに浮かんだのが、この北風のわすれたハンカチだった。

(うーん。でもこれがワタシの物語であるとするならば、ちょっと哀しい結果だなぁ・・。その理由は、『診療室にきた赤ずきん』に書きます)

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